<頭髪異臭君編:第2部・第10章>
まず、明確にしたいこと
お読み頂く前に、まず明確にしたいのですが、あなたのお悩みは、以下、どちらでしょうか?
| ① 一般タイプ (10人に2~3人) | 外に出る出ないに関わらず「頭皮」が臭い |
| ② 特殊タイプ (1000人に1人) | 外に出ると「髪や頭」が臭くなる悩み |
上記1の方は、この記事は特殊過ぎるので合致せず、当サイト第1部が合致しています。
上記2の方は、この記事(第2部)が合致しているので、ご自分の悩みと照合しながら読んで頂ければと思います。
少し分かりづらいので、私が体験した、頭が臭い2種類の症状を以下の通り整理します。

外に出ると髪や頭が臭くなる【私の症状】

・私は、中学2年(13才)から、48才までの35年間、頭の臭い(頭皮というより髪や頭が臭くなる)に悩み続けました。
・私の場合、夏はまったく問題なく、冬のみ、外に出ると発症する、非常に特殊な症状です(人によっては春のみや、季節問わない1年中)。
・この臭いは「〇〇の匂い」と適切な言葉で断定するのが難しいのですが、とにかく、良い匂いではありません。
・外に出ると髪や頭から匂いが発生しますが、家の中で一日過ごせば匂いはそれほど問題にはなりません。
・また、数十分、時間が経つと、匂いは自然と消えたり、雨の日は匂いが比較的抑えられる不思議な一面もあります。
・あり得ない匂い、受け入れがたい匂い、でも、臭っているという、動かない事実。
・摩訶不思議で、奇想天外な、奇天烈現象で、外に出る必要がある場合、時間ギリギリの直前に、お風呂に一度入っておく必要があります。
・悩みのピークの季節(私の場合は冬)は、気が気ではなく、常に人目や人の反応を気にします。
・後ろからの人の咳に対しては非常に敏感で、体がビクっと勝手に反応してしまうほど意識過剰になっています。
・髪が臭くならない周りの皆さんと同じでありたいという、ささやかな幸せを求め、過去に思いをめぐらした事は「こんな訳の分からない問題を解決・軽減できるのは、一体、どんな集団や個人なんだろー?」でした。
・しかしそれは、非常に特殊で、希少性と秘匿性の高い症状なので、外部の関係のない人間ではなく、この問題に直面して十分すぎるほど苦しんだ個人でした。
外に出ると髪や頭が臭い、同じ症状で悩む【私の仲間との遭遇】
<頭が臭い男性の、何事もなかった表情で立ち去る姿が印象的>

・冬の季節のお昼ごろ、外は風が吹いており、私が乗っていた電車が小さな駅に止まりました。
・その駅は、ホームがだいぶ高い所にあるものの、風をしのげる待合室もない状況なので、ホームはもろに風を受ける構造です。
・その駅で、60才くらいの一人の男性が電車に乗り込んできて、車内はそれほど混んではいなかったので、私の隣に少しスペースを取る感じで座られました。
・その男性が、一瞬ですが、帽子を外した瞬間、モワンとした匂いが漂ってきました。
・いわゆる、外に出ると髪が臭くなる、独特の匂いです。
・私は、『頭髪異臭君』だった過去、帽子をかぶってしまうと、自分の意地と言うか、何だかこの独特の症状に自分が敗北した気がして、なるべくかぶらなくても済むように、外出前にはシャンプーする等して、対処していましたが、「そうか、開き直って帽子を堂々とかぶるという手も確かにあるよね」と考えを改めた瞬間でもありました。
・その男性は、車窓から外を眺めたりしてましたが、何事もなかったかのような顔つきで、数駅してから電車を降りていきました。
・この、何事もなかったかのような顔つきと振る舞いが、非常に印象的というか、今でも私の記憶に鮮明に残っています。
・何故、あのような異常な匂いを頭からさせながらも、何事もなかったような顔つきで電車を降りて行ったのか。
・ここは想像ですが、「昔からの症状で、何をやっても、どんなことをしても、解決できない症状に、完全に諦め切ってしまっていて、それでも最低限、人様に迷惑を掛けないように帽子をかぶる」というお気持ちだったのではないか、と考えると合点がいくのです。
・いづれにしても、若い方からお年寄りに至るまで、本当に幅広くこの症状で悩んでいる方がいる現実を、目の当たりにすると何とも言えない思いがします。
外出すると髪や頭が臭くなる方の【ネットでの現状】
皆さんに、先ずご理解頂きたいのは、外に出ると髪が臭くなる『頭髪異臭君』の症状は、非常に特殊な症状のため、周囲の人にその症状を説明したり相談したとしても、悲しいことに、殆ど理解されないかと思います。その実態が垣間見えるのが、ネット上のQ&A系のサイトでもあります。どれほどミスマッチを起こしているか、以下の通り、事例を見てみましょう。
【事例1】
<質問:11月、女性による質問>

・外に出ると、髪が臭くなります。外に出なければ臭くなりません。
・紫外線の影響も疑って、夜に外出したりもしましたが、やはり夜でも髪が臭くなります。
・何年も悩んでいるので、何か、この対処法が分かる方、いらっしゃいますか?
<一般人からの回答(ベストアンサーなし)>
・髪が臭いというのは、思春期ゆえの強迫観念では?
・心療内科に行かれてみては?
<著者のコメント>
・勇気を持ってご自分の悩みを打ち明けているのにも関わらず、『頭髪異臭君』がまるで精神病患者のように扱われているのが悔しく、怒りすら覚え、大変心外なのですが、やはり、普通の方には経験が無いために、まったく理解できないのです。
・強迫観念という意味では、たしかに「こんな匂いのする人間、みんなから嫌われてしまうのではないか」「今、後ろの人が咳き込んだけど、私が原因ではないか」というような感情が副産物として生まれる一面もあります。
・この方は典型的な『冬・外気・頭髪異臭君』です。
・私も同じ症状の経験をしたので理解できます。
・それが判別できるキーワードは「11月」「外に出ると髪が臭くなる」「夜に外出しても髪が臭くなる」です。
・この回答は間違っていると思います。私も大学時代、メンタルクリニックに通いましたがこの症状に何の力にもなりませんでした。
また、権威あるお医者さんにも中々理解されにくい現状があります。
そして、美容院等の美容関係者に相談しても、理解されにくい症状なので、一般的な症状である『頭皮脂君』に対するアドバイス(頭の洗い方、乾かし方、おすすめのシャンプー、クレンジング剤、の紹介)を受けるかと思います。要は『頭髪異臭君』向けではないのです。
【ネットで空回りしてしまう理由】
・摩訶不思議なこの症状として、例えば「頭皮ではなく髪が臭い」「特定の時期(冬か春が顕著)」「30分すると匂いが自然と消える」「屋外から室内に入った後、ニオイが強くなる」「雨の日はマシ」「時間が経つとニオイが収まる」などが挙げられます。
・悩みが深刻なので、そのコンプレックスから人に隠したい心理が働き、情報の秘匿性は高く、露出度は極めて低いです。
・世間から認識されていない症状なので、解決を試みる団体が存在していないと思います。
・『頭髪異臭君』に特有の、独特な匂いの表現の仕方が人によって違い、希少性も高いので、表現の統一すら出来ていない。
・これらのことから、未経験者には全く理解されず、コミュニケーションそのものが空回りします。
髪の臭いが発生する主な原因
髪や頭の臭いは単純に「頭皮の皮脂汚れ」では説明できません。私の体験と調査を踏まえると、次のような複数の要因が重なって発生していると考えています。
➊ 外気中の空中浮遊細菌の髪への影響
外気中には空中浮遊細菌(グラム陽性菌:マイクロコッカス、スタフィロコッカス、グラム陰性菌:シュードモナス、胞子形成菌:バシルス等)が含まれており、髪に付着します。いずれも土壌由来の細菌で、晴れた風の強い日は空中浮遊菌が髪にくっつきやすく、雨の日は細菌が浮遊できず地面に落とされるため髪からの不快臭が軽減します。天候による髪の不快臭の強弱は、多くの方が体感としてご存知かと思います。
また、毛髪側・頭皮側は、腸内環境の乱れによるガス成分や代謝産物、皮脂および頭皮の真菌(マラセチアやカンジダ真菌)と相互作用を起こし、独特の臭いを生じさせている可能性があります。
➋ 頭皮由来の真菌・皮脂成分と腸内環境の関与
臭いは頭皮表面の話だけでなく体内からも関与します。腸内環境の乱れによるガス成分や代謝産物が、血中に溶け込み、全身を巡り、頭皮の皮脂やガスおよび真菌が、毛細管現象のように毛先に向かって髪へ移動します。時間経過とともに毛先にこれらが移行し、10時間で1〜2cm、20時間で2〜4cmと進みます(あくまで目安で、皮脂の過剰分泌体質の場合、もう少し移動距離が多いかもしれません)。
また、「頭髪異臭君」の冬型では、温度上昇が不快臭の増幅装置となり、夕方〜夜にかけて臭いが強くなる傾向があります(通年型は様相が少し違うようです)。
❸ 腸内+頭皮の「二面ケア」が重要
体臭の原因は腸内環境と頭皮表面の両方にあり、どちらか片方だけのケアでは好転は難しいと考えています。別記事で好転体験のための具体的な対策(腸内ケア・頭皮ケア)を紹介しています。個人的には抗生物質により善玉菌が少なくなり日和見菌だったカンジダが増殖して発症する、腸カンジダ症を私の場合は考えています。
➍ 社会的理解不足と標準治療の限界
「髪が臭う」という症状は一般常識の外にあり、医学的にも理解されにくいのが現実です。皮膚科診療ガイドラインには「頭皮臭・毛髪臭」という概念自体が存在せず、標準治療の枠組みからも外れています。
そのため、皮膚科医やネットの未経験者の意見だけに頼るのではなく、オーソモレキュラー療法や栄養療法へのアクセス、自らの情報収集、ChatGPT(有料版かつ最新)のような横断的かつ体系的な知識ツールの活用(皮膚+腸+肝+代謝+栄養)が、回復への鍵になると私は考えています。
(ただし、有用性はあくまで「使い方次第」です。入力情報が少なかったりすると時々トンチンカンな回答をするケースもありますが、事前に与える情報の質と量に加え、単発で終わらず多角的に掘り下げて質問することが重要です。結局のところ、質問力と理解力が成果を左右しますので、あくまで自己責任です)
別の記事で詳細の対処法をご案内していますので、確認してみて下さい。
